
2022年2月24日、カスタマーサポート特化型AIチャットボットを提供するカラクリ株式会社と、ワンストップでDX推進、オムニチャネル/OMO対応のシステム導入を支援する株式会社エスキュービズムの2社が、「LTV向上とサイレントカスタマー」というテーマでオンラインセミナーを開催しました。本セミナーでは、それぞれの企業視点からUXを向上させるためのデザインと購買体験のヒントについて解説しました。
2022年2月24日、カスタマーサポート特化型AIチャットボットを提供するカラクリ株式会社と、ワンストップでDX推進、オムニチャネル/OMO対応のシステム導入を支援する株式会社エスキュービズムの2社が、「LTV向上とサイレントカスタマー」というテーマでオンラインセミナーを開催しました。本セミナーでは、それぞれの企業視点からUXを向上させるためのデザインと購買体験のヒントについて解説しました。
ECの利用人数はこの2年で増加し、拡大傾向に加えて定着しているという結果が総務省の家計調査から見えています。その増加率は10年間分以上であり、現在全ユーザーの20%に相当する数と言われます。
増加したユーザーは、まだ十分にECに慣れておらず、大手サイトでのEC購買で鍛えられている状況です。
ECの事業者は、この急激に増えた新しいユーザーの属性を考慮しておく必要があります。
今は大手サイトで購買しているこれらの新規ユーザーは、やがて個別の専門店サイトなどに拡散していくと想定されるからです。
新たな顧客流入が起きる点では良いことですが、顧客のデジタルリテラシーが細分化されているために課題も生まれてくると考えています。
こうした悪影響をできるだけ削減し、課題を解決できるかがカギになってきます。
これまでのEC利用者層が80%、増加した利用者が20%という割合になっていますが、それぞれの属性によってサイレントカスタマーの形も異なっています。
これまでのサイレントカスタマーは、「商品や購買になんらかの不満を持ったが、声を上げずに立ち去り、利用をやめた」人々でした。彼らは「商品を見つけることができ、無事に商品購入ができた」人々でもあります。
しかし、20%の新規ユーザーの中で考えられるサイレントカスタマーは、そもそもサイトや目的の商品にたどり着けていなかったり、購買を完了することができなかったりと、「ECを使って目的を達成することができない」人のため、「まだカスタマーとして具現化していない」段階にあると考えられます。
こうした新しいサイレントカスタマーがもたらす課題は、「買えない、分からない」といった理由でコールセンターなど他チャネルへの遷移、または他サイトへ離脱することで、アクセスは増えるが購買が増えない、自社のユーザーが増えないという点です。
買えない理由その1:見た目や操作性が大手サイトと異なるから
買えない理由その2:大手サイトと違って使い勝手が良くないから
今後二極化していくサイレントカスタマーへの対策として、デジタルリテラシーのレベルによって3つのポイントに仕掛けを行うことで効果を発揮すると考えます。
これを顧客のライフサイクルから見てみると、見込み顧客からロイヤル顧客になるまでの間でサイレントドロップするポイントがあると考えられ、これも潜在・見込み顧客から新規顧客へ、新規顧客からリピート顧客へ、さらにロイヤル顧客へと転換するタイミングにおいて対応が必要になってきます。
ポイント1:ユーザーをロイヤル化させるための対応ポイント
⇒ LTVの全体的な強化
ポイント2:一般顧客を優良顧客化するための対応ポイント
⇒ 購入者の離脱防止
ポイント3:ユーザーに購入してもらうためのタッチポイント
⇒ 購入者を増加させるための強化ポイント
新規ユーザーの「買えない」理由を無くし購買に繋げるためには、ユーザー属性を意識したECサイト作りが重要になります。
出来る限り短いスパンで商品にたどり着き、短い時間で魅力が分かり、すぐに支払い方法が理解できるといったインスタントな購買行動を演出する必要があるのです。
アイコンは汎用的なデザインを使用し、大手サイトのセオリーから大きく外れたサイトにならないように構成することや、購買プロセスをシンプルにするなどで、新規ユーザーの離脱を防ぎ購買につなげる効果を狙います。
自社サイトで購買をしてもらい、優良顧客となってもらうためには、細分化する顧客ニーズに適応する受け皿の用意が必要です。
購買を行う場所と入口が変化しており、ユーザーが「今いる場所」で購買が可能となるような仕組み作りが重要になってきています。
そこでヘッドレスコマースの仕組みを活用し、SNSやUGMなどユーザーがいる場所をECに変える考え方を提唱いたします。タッチポイントをそのまま購買ポイントにし、多様な受け皿を量産することが可能になります。
このように、今までよりもセオリーが求められながらも、今までとは違うサイト構造も求められるようになります。実現のためには、ヘッドレスコマースなど最新のコマース概念を実装していく必要性があるのです。
カスタマーサポートは、一度サイトに訪れた人や購入、申し込みなど利用経験のある人への対応を行う業務です。新規獲得というよりは、既存ユーザーの継続率を上げたり、再購入を促進したり、といった役割を持っています。
カスタマーサポート分野でのサイレントカスタマーの定義は、96%もの「困っていても問い合わせをしない人」を指します。LTV向上に向けてこのサイレントカスタマーを無視できない理由としてこの「苦情を言わなかった顧客」のボリュームが大きい点が挙げられます。
苦情対応によって満足を得た顧客は再購買率が上がるという調査結果が出ているため、サイレントカスタマーを削減することで再購買率や継続率を向上できると想定されるからです。カスタマーサクセスによるサービスリカバリーが見込めるのです。
問い合わせをしないサイレントカスタマーを救済するための第一歩として、組織全体に「購買・利用体験の追求」という考え方を浸透させる必要があります。
購買後のカスタマージャーニー上では様々なボトルネックが発生しますが、顧客の行動ログ、お客様からのご意見などを把握することで、ボトルネックの予防策やポジティブ体験・ネガティブ体験のマネジメント、サービス改善サイクルのハブとなり、カスタマーサクセスへとつなげていくことができます。
解決の難易度が低くても問い合わせをしてくれないサイレントカスタマーを、推定機能の強化によってLTVの向上へとつなげ、サービスリカバリーを実現します。待っているだけではなく、プロアクティブなサポート体験を作り出すことが重要です。
たとえばチャットツールで「○○でお困りではありませんか」「お探しの商品が見つかりませんか」といった推定の質問を予め用意しておくことで、離脱を防止しカスタマーサクセスへとつなげることができます。
さらにバックシステム側ではFAQやチャットボットなどの一元管理によって自動化を行い、セルフサービスの増加に伴う運用工数を削減する必要があります。
サイレントカスタマーに向き合うためは、サイレントカスタマーの推定と、セルフサービス(※)のオムニチャネル化が重要になってくるのです。※FAQやチャットツールなどでカスタマーが自己解決するデジタルセルフサービス
カラクリでは問い合わせの効率化と満足度の維持・向上を強力に支援する機能群として「KARAKURI Digital CS Series」を提供しており、ノーコードで簡単に実装でき、運用が可能です。AIセルフサービスのオムニチャネル化、サイレントカスタマーの推定機能、全て取り揃えています。
導入前、導入後のサポートもご評価いただいており、国内のチャットボットサービスのサポート満足度No.1に選ばれています。無料デモや体験会も実施していますので、ご興味がありましたらぜひお申し込みください。