PoCのすすめ
3.事例編

この記事はPoCのすすめ 2.立案編の続きです。

某大手商社様におけるPoC事例についてご紹介します。

課題

マンション居住者に対して新たなサービスを提供したい

顧客セグメント(ターゲット層)の確定

大和総研のレポートより掲出したデータによると、共働き世帯、かつ、所得補完を主たる目的としない共働き世帯の場合には、消費支出に占めるECの支出の割合は増加するとまとめられている。

出典:「大和総研:2017年11月9日 経済構造分析レポート–No.64– 拡大するネット消費の盲点とは?」

共働き世帯かつ、ある程度の世帯年収レンジをターゲットとする

大和総研の本件調査では、地域でセグメントされていることには留意が必要ながらも、共働き世帯かつ、世帯年収が多いほど、ネットに対する支出が多いことがデータとして示されている。

また、海外の傾向として、所得補完を目的としない共働き世帯の場合には、特にこの購買傾向が強いと指摘している。
かつ、日本内外の購買の傾向という観点から、「女性の余暇時間の多寡」がネット消費の上昇の鍵を握ると分析しており、この視点からも「女性の余暇時間の利用方法として、本件システムでどのような利便性提供が可能であるのか」が大きな鍵であると考えられる。

よって本企画においては、その前提の一部に上記を考慮する。

また、外部からの情報を取得する限り、以下のようなターゲットが想定される。

出典:LIFULL HOME'S PRESS 調査データ・ランキング より
出典:国土交通省 : 平成29年度 住宅市場動向調査 報告書 より

分譲マンション購入者の平均年齢はここ数年、継続して上昇。中央値は40代前半が想定される

国土交通省のデータおよび、住宅販売情報サイト大手のLIFULLのデータより、マンション購買者の平均年齢が継続して上昇していることが示されている状況である。

他方で、国土交通省のデータより、購買の最大ボリューム層は、30代であることが明らかであり、この図表から読み取る限り、中央値も40代前半である。このため、ターゲットとされる年齢セグメントは、35~45歳程度の世帯主であることが想定される年齢のセグメントについても、想定している通りの年齢層が対象となると考える。

前述内容より、35~45歳程度のセグメントに属する、以下のマトリクスのユーザがターゲットと仮定します。

検討

独自の価値提供が可能か検討

  • 購買のみに限定されないサービスであること
  • 居住マンションに合わせたサービスが可能であること
  • 通常の生活にプラスアルファのあるサービスであること
  • 生活の邪魔にならないサービスであること
  • 自分では得られない情報の提供が受けられること

これらのことから、コミュニケーションロボットを導入したサービスの提供が有益ではないか?と考えます。

ソリューションとしての検討

コミュニケーションハブとしての機能

当初、利用を想定していたサービスに期待していた機能のひとつに、家族間のコミュニケーションハブとしての機能がありました。
子供(デバイス)→親(スマホ)、といった家族間コミュニケーションフォロー、デバイス→人間へのさみしさを紛らわす系のコミュニケーションの解決などについても、実施がしやすいと考えられます。

  • 各種のリマインダー機能
  • 子供(家族)とのメッセージング機能

など、家庭内コミュニケーションとしての連携機能実施

購買ドライバとしての機能

当初、利用を想定していたサービスでの活用を想定していた機能に、住設情報などを登録すると、対応する商品などを定期的にレコメンドする、という機能があり、定期購買などへの有用な機能ドライバとして活用することを期待していました。登録は音声で行う、ということに価値を有していましたが、レコメンドドライバとしては、コミュニケーションロボットの活用の方が優れていると考えられます。

  • 購買関連のリマインダー
  • 住設関連のリマインダー

など、購買に関する起点発声の実施

本PoCでの検討および検証実績

課題の定義 従来考慮していた課題を市況や弊社知見と融合させ再定義
顧客セグメントの定義 サービス提供のセグメント層の調査・定義
独自価値の提供 独自サービスとして提供し、利用されるサービスとなりうるか考慮
ソリューション
(システム化)の実現可否
上記内容をソリューションとして提供可能か調査・提案
チャネルの選定 顧客にどのように使用してもらうか、広報および販売チャネルのご提案
収益モデルの策定 本サービスをもとにどのような収益体系が可能であるかご提案
コスト構造の整理 本サービスを提供するために発生するコストの整理とご提示
サービス指標の策定 サービス利用率、サービス継続率など本サービスの指標をご提案
市場優位性の確認 ご提案サービスが市場に存在するのか調査し、投資対象になるかご提案
事業として投資対象とするか、
プロジェクト化し継続していくべきかの検討・検証を実施しました。

PoCのすすめ シリーズ

記事に記載している内容は、ほんの一部の例に過ぎません。
この他にも非公開の事例などございますので、お気軽にお問い合わせください。
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