PoCのすすめ
1.調査編

なぜPoCをやるのか

企業は、なぜPoCをやるのでしょうか?

PoC(Proof of Concept)とは

『概念実証』の意味で、新しい概念や理論、原理、アイディアが、実現可能な新しいプロジェクトとして投資対象となるか、効果や効用、技術的な観点から検証する行程を示します。

貴社でいま考えていることは、

  • 市場に出して効果はあるか?
  • 技術的に実現することが可能か?
  • 投資するプロジェクトとして妥当か?

を、まず実証してみましょう。
PoCは、種を芽にするフェーズです。

企業がPoCを始める場合、入り口は2つあります

  • 課題を解決するために新たなサービスを検討する
  • 自社の課題を市場動向から洗い出し、次のサービスを創造する

まず、エスキュービズムは部分的な課題ではなく、市場動向、弊社知見、コンサルタント個人の見解と共に貴社とディスカッションをし、課題の共有および再定義をさせていただきます。

それは、課題解決や次のサービスの創造を弊社の提供するサービスからご提案するのではなく、新たな視点や技術を踏まえ課題解決のアプローチを行いたいと考えているからです。

ディスカッション後、貴社の課題に対して下記のような活動を行い、課題の再定義からPoCの実施をご提案いたします。

主観から仮説の提言
市場の動向考察
市場の旬なトレンド把握
現場での自己体験共有
提案の方向性ご提示
提示内容の裏付け
PoC内容のご提案
PoCの実施

課題例

施設の集客を増やしたい集合施設の運営企業様の例

集客が課題となった、根本的な理由の考察

今回のテーマとして考えていきたいことは、“お店にいって、ワクワクしてもらいたい”ということです。小さい頃、百貨店や大きな売り場のあるお店に行くことは、新しい”ほしいもの”に出会える場として、楽しみな場所でした。

しかし、最近では・・・

ECの発達により店舗のワクワクが薄くなった

昔は、商品に出会える場所は店舗であり、さもなければカタログをずっと眺め続ける時間であったように思います。
いま、商品との出会いはECやWebサイトに取って代わられ、何かが気になればまずはじめに調べはじめる、というライフスタイルが一般的になりつつあります。

店舗に行く理由が昔に比べて少なくなった

ネットが今ほど発展していなければ、家から出てお店で様々な情報を探し回ることが多かったように思います。
欲しいものは店頭でメモして、帰宅後に思い出しながら考える、というようなこともなくなり、店頭で買いたいものを買いたい!という時のみ店舗に行くようになりました。

市場の変化

生活者のデジタル武装

スマートフォンの登場により、生活者は24時間/365日/360°、デジタル世界に入り浸ることができるようになりました。
デジタル武装した生活者は「不便」や「退屈」に耐えられなくなっており、少しでも「使いにくい」「面白くない」と感じた瞬間にそっと離れ、他へと移ってしまいます。

市場のトレンド

※メディア環境研究所「 メディア定点調査2019」より引用

店舗での顧客体験

ここ最近、実際に私が体験したできごとを具体的にご紹介します。

  • 自室のレイアウトを変えるためにPCの場所を移動する必要が出てきた。
  • PCの移動先の奥行きが狭く、小型のPCケースが必要に。奥行き400mm程度でATX規格という、珍しいサイズが必要になった。
  • ネットショップAで商品を見つけたが実物感がないため、近くの店舗Bに現物を見に行く。
  • 目的に合うケースを店舗Bで発見し購入する。
  • この機会に、PCのグラフィックボードも買い換えることを思い至る。
  • 自分の中の価格性能比で更新基準に達している商品を店舗B内で発見。
  • 商品カードをレジに持って行くと、店舗Bには店頭在庫無しと案内される。
  • 「注文いただければ入荷次第ご連絡します」と言われたが、注文してまでわざわざ店舗Bで購入する理由はないと思い、注文しなかった。
  • その商品が、ネットショップAで店舗Bよりも安い価格で販売していることを発見するが、無理に今買う必要はないと思い至る。
  • 後日、別の店舗Cにて同商品を発見し、購入する。

以上が私の心理の流れですが、いわゆる「店舗で商品購入の気分を喚起され、実際に購入しようとした」という、店舗が果たすべきユーザへの購買喚起は成功しているといえます。しかしその後の「店舗店頭での提案が最適ではなく」客(=私)は離脱してしまいました。

特にPCパーツのグラフィックボードというどこで買っても同じ商品に関しては、店舗の価値は「いま、この場で手に入ること」以外の期待値はなく、その期待値を満たせていない以上そのお店で購入する意味はない、と感じました。
しかし、「最近、店頭購入→自宅配送の利便性を体感した私」にとっては、「入荷次第ご連絡します」ではなく「入荷次第ご自宅へ配送します」という案内であれば受け入れた可能性があり、この提案を店舗でなされなかったことが離脱につながったことは間違いありません。

課題をどのように解決するかの方向性提示

店舗に行く理由を作りたい。

電車に1時間乗って、駅から少し歩いて・・・という時間を、「目的のために」「めんどくさく感じない」シチュエーションを作りたいと思います。

「電車に乗るのがめんどくさい」
「わざわざお店に行くの面倒」
「外出をするための支度をするのが面倒」
→だから、ECでいいじゃないか、となってしまう。

市場動向

ユーザに対して提供するべき価値について、7種に分類・整理されています。これらの情報のうち、なにをどのように提供するべきであるのかの考慮と検討が必要です。

ご提案

集客力のあるコンテンツを集客に使ってみるのはどうでしょうか。

例えば、ホログラフィックライブなど「普通の場所では目にできない」ものを店舗の入り口などで利用できたとしたら。
ライブでなくとも、ホログラフィックスクリーンを利用したプロジェクションマッピングなど、在来にはないエントランス演出を行うことができれば大きな話題となり集客に効果的な可能性があります。

たとえば・・・

特定の会員が100名店舗入り口に集まったらホログラフィックライブ実施するなど、集まる/場所をキーにした特別感のあるイベント展開

  • さらに、店内のデジタルサイネージディスプレイをすべて該当のコンテンツでジャックしてしまうなどの展開があれば、近くにいる顧客を店内に誘導する切り口となる可能性が広がる。

ホロディスプレイ+プロジェクションマッピングで、より面白いイベント化の推進

  • クリスマスシーズンの装飾など、コンセプトを決めた実施の可能性を探る。
  • 体験の場としての色と、そこからのアクションを起こしやすくする仕掛けがあれば非常に良い。

ここまでが、エスキュービズムとして行うPoCの初期準備です。
ここから先は実現可否を考慮し、さらに詳細なご提案を行っております。

PoCのすすめ シリーズ

記事に記載している内容は、ほんの一部の例に過ぎません。
この他にも非公開の事例などございますので、お気軽にお問い合わせください。
エスキュービズムが、貴社の思い描くDXを実現するお手伝いをいたします。