巣ごもり消費需要に応えるVRや動画コマースの活用法

4月7日、新型コロナウィルスの感染拡大により、東京都や大阪府など7都府県を対象に緊急事態宣言が発令されました。 対象外となっている地域でも、休校や営業自粛が行われるなど、社会全体に大きな影響を及ぼしています。

感染症拡大を抑制するために、ありとあらゆる人に対して求められる行動変容は、不要不急の活動を止めてなるべく外部と対面で接触しないということです。

消費者側の行動変容とともに、企業側ではこれからの経済活動に新しい視点を持つ必要があるでしょう。
本記事では、『巣ごもり消費』に焦点を当て、どのような可能性があるのかを探っていきます。

緊急事態宣言による経済への影響

緊急事態宣言では、ライフラインなど社会機能を保つための職種以外の在宅勤務、多人数で集まること、イベントの開催などを自粛することなどを求めています。通勤する人の動きを削減して感染拡大を抑制し、感染者数を減らしていく狙いがあります。

経済活動への影響

食料品や医薬品、生活用品を取り扱う小売店以外は、営業自粛を発表する店舗が増えてきました。百貨店、アパレル、飲食店などは各企業の判断で休業を行うとしています。

三越伊勢丹は百貨店6店舗、小型店舗に加えてオンラインショップも休業すると発表しました。

参考:三越伊勢丹ホールディングス プレスリリース http://pdf.irpocket.com/C3099/fwbV/FSo5/OHnZ.pdf

こうした「休業」に伴う経済的な損失は各企業にとって「未知のもの」で、2020年度の国内GDPに大きな影響を及ぼすと予測されます。

行動変容がもたらす新しい消費行動

私たちはどんな立場においても、消費者であることに変わりはありません。緊急事態宣言を発令した総理大臣であっても、公務員であっても、医療従事者であっても、小売店の販売員であっても、小学生でも同様です。電気や水などのエネルギーを消費し、食事を摂らなければ活動はできません。そしてその消費行動には複数の人や企業の経済活動が密接にかかわっています。

しかし、今回の世界的な感染症拡大は、その経済活動を分断する大きな影響力を持っています。

巣ごもり消費の増加

消費者の行動変容により、新たな消費が生まれてくる可能性があります。バンドルカード運営の(株)カンムが発表した「巣ごもり消費に関する意識調査」では、消費活動の変化が見られます。


・マスクやトイレットペーパーなどを含む薬、衛生用品

・デリバリー、テイクアウト

・動画、音楽などの配信サービス

といったカテゴリで支出が増えたという回答がありました。

なるべく外出を控え、家庭内で過ごすための「巣ごもり消費」が増えているとカンムは分析しています。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000056.000012797.html

ネットを通じたコミュニケーション増加

巣ごもり消費で特徴的なことは、ネット配信などが増加していることでしょう。

健康を維持するための散歩や運動は推奨されていますが、現代社会のテクノロジーを駆使してエンターテインメントやショッピングを楽しみたい人はネットを通じてコミュニケーションをとっているのです。

ゲーム実況配信やライブ動画配信など、様々な趣向をこらしたコンテンツが動画配信サービスで展開されています。

VR/AR機器の出荷が増加する?

動画などの配信サービスで気になるのは、VR/AR関連の市場です。

IDCのレポートでは、COVID-19の影響によりサプライチェーンの混乱が起こっているため、VR/AR機器の出荷が2割程度減少するとしています。

しかし、2020年半ばに生産体制が回復すれば、需要増により出荷が増えるとの見込みを出しています。

参考:https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prUS46143720

VRコマースで実店舗での買い物体験を

感染症予防には店頭での直接接客がリスクとなります。現状では店舗休業の判断をするしかないという経営者の方も多くいらっしゃるでしょう。

こうした場合、なるべく売上を確保するためには、物流などのデリバリー部門が動いている前提ではありますが、ECサイトでの販売が中心となってきます。

通常のECサイトでの購買はもちろんですが、これから増えるのは巣ごもり需要によるVRコンテンツの拡充も視野に入れていく必要があります。

自社コンテンツのVR化を行うだけでなく、そこにEC機能を持たせることで、新たな購買チャネルを生み出すことができるでしょう。仮想空間の店舗で買い物をしたり、VRコンテンツの中にECサイトへのドアを作ったりと、これまでとは違った消費行動がみられるようになるかもしれません。

動画コマースで直感的に「欲しい→買う」購買を喚起

動画配信が「巣ごもり」の強い味方であることは、前述したカンム社の調査結果からも読み取れます。Youtubeでの広告、ライブコマースでの販売促進などが今年はより活発になっていくでしょう。

動画コマース(TIGコマース)では既存の動画コンテンツにEC機能を付与し、視聴者は動画を見ながら「欲しい」と思った瞬間にカートに商品を入れることができます。

直感的な購買行動を促す、新しいマーケティングツールです。

消費者の行動変容が企業のデジタルトランスフォーメーションにつながる

この未曽有の危機をどのように捉えるかは、その企業の事業内容や方針によっても異なると思いますが、変化の兆しを逃さずに新しいフィールドへ踏み出す契機ともいえます。

現在、様々な企業で進められているデジタルトランスフォーメーション。企業の経営改革ともいえる大がかりな動きは、消費者の行動変容によっても加速していくのかもしれません。