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外国語SNSマーケティングを誰がやるか?勉強会「外国人対応2.0」より – MBA留学生Sunnyのインターン日記#05

いきなりですが、2月8日に開催されたリテールイノベーションコンソーシアムの勉強会に登壇しました。

今回のテーマは「外国人対応2.0~外国人がお客様や社員(店員)、取引相手になる時代~」で、日本政府観光局様による訪日外国人の最新動向、タカラトミーアーツ様の外国人観光客向けに成田空港に設置された「ガチャ」に関する事例紹介、ASEGONIA様の売上を上げるためのベトナム人人材の活用方法、レノボジャパン様のVRゴーグルを活用して外国人に仮想職業訓練を実現する可能性といった発表がありました。

そして私も「SNSマーケティング戦略でもっと多くの外国人観光客・留学生に知らせよう」という主題で発表させていただきました。
今回は、その主題を選んだ経緯とその内容を紹介したいと思います。

会場の様子
【写真】会場の様子

そもそも知られてないと外国人対応は意味ないのでは?

勉強会ということで、出席されたリテール企業の皆さまに‘気づき’を持ち帰っていただきたく、テーマの選定にはすごく悩みました。
まず、一橋MBAの同期20人から知恵を借りようと、日本で買物する際に何に困っているかヒアリングしましたが、一番多かったのが言葉の問題で、次が決済。(キャッシュレス対応)
しかし翻訳ツールはすでに多くの企業から発表されているし、決済は12月のコンソーシアム勉強会のテーマなので避けたいなと。

そんなこんなで悩んでいると、勉強会に参加予定のリテール企業様のリストが、ふと目にとまりました。そういえば、日本で過去4年間仕事をしていた私でも、半分ぐらいの企業様についてはよく知らないなと気付いたのです。(参加企業の皆様、申し訳ありません!)私はあまり買物をしないだけで、他の留学生の同期はよく知っているのかなと思い、勉強会参加予定のリテール企業様の認知度調査を実施しました。

調査対象企業13社に対して、平均で66%が訪問したこと無い、もしくは聞いたことがないという結果がでました。こちらの数値を見て思ったのが、いくら店舗で外国人対応のテックを備えても、そもそも訪日外国人や留学生に知られてないと、訪問されないので意味がないのではないかということでした。
インバウンド対応として、外国人に知ってもらうことすらまだできていないのではないかと感じたのです。

発表の様子
【写真】発表の様子

外国語でのSNSマーケティング

日本の店舗やECサイトの情報を留学生はどう入手しているのか把握したく、同期に調査した結果、62%がサーチエンジンまたはSNS等のインターネット検索、33%が自国の人や日本人以外の外国人、たった5%が日本人でした。日本人を通じた情報の入手はほとんど無く、ということは、外国人に知られてないところはずっと知られないままなのではと感じました。

インターネットによる情報検索が多かったので、韓国で人気の‘Instagram’で、韓国語での情報を発信している勉強会参加予定のリテール企業のアカウントがあるか調べてみましたが、見つかりませんでした。SNSを通じて外国語で情報を提供すれば、もっと多くの外国人観光客に知らせ、来てもらえるのではないかと思いました。訪日外国人観光客の約60% がリピーター1なので、旅行客としても来るたびに新しいお店に行ってみたいと思っているのではないかと思われます。

2018年の訪日外国人旅行者消費額で中国が1位、韓国が2位2だったことで、一橋MBAの韓国人と中国人の同期と、より多くのユーザーに接触するためにはそれぞれの国でどんなSNSチャンネルを使うとよいか議論しました。そして、韓国では、Instagramと‘Naver Blog’、中国では‘Xiaohongshu’と‘Weibo’をSNSマーケテイングツールとして重要視すべきと考え、その活用方法について発表会で説明しました。

懇親会の様子
【写真】懇親会の様子

外国語マーケティングを誰にやらせるか?MBA留学生の活用

外国にも店舗がある日本企業は、その国でもSNSの運用をしている可能性はあります。しかし例えば中国に店舗を持っていない日本企業がわざわざ中国のSNSを運用するのはハードルが高そうですよね。ただし前述したように、訪日する前に知らない店舗にはほぼ行かないことを考えると、訪日外国人の多い国でSNSによって事前にアプローチしておくことはどうやら有効そうです。日本企業の立場では“では、誰にやらせる?”となりますよね。さらに“そんなに費用はかけられない“という問題もあります。

そういった問題に対して、私が提案したのがMBA留学生の活用です。外国語でSNSマーケティングを展開するためには、該当する外国語が堪能であり、マーケティングの知識及びセンスが必要となります。それで私が最終的に提案したのが外国人留学生の活用で、その中で特に、日本に留学しているMBA学生です。

一橋MBAの場合、学生の職歴が平均6年で、社会経験が他の大学院生と比べると長いです。また、マーケティングを勉強するので、MBA学生としては学校で勉強した内容を実務で活用してみたいと考えていると思います。
私の同期20人に「日本のリテール企業で仕事をしてみたいか」とサーベイを実施した結果、75%が前向きに考えているという回答でした。
一橋MBAの2年コース学生の場合、1年目で座学を修了し、2年目には2~3社の企業でインターンシップを行うことができます。私もこちらのプログラムを通じてS-cubismを知りました。そのため、MBA学生をインターンとして活用し、外国語でのSNSマーケティングを任せることを勧めることを発表の結論としました。

発表会の後、いくつかのリテール企業の方がインターンシッププログラムに興味を示してくださいました。今後、私の提案が実現されるのであれば、リテール業界の経験がないMBA学生としては新たなチャレンジができますし、企業としてはトライリンガルで‘日本人化’していなくて、ビジネスセンスがある人材を活用できるので、お互いにとって有益ですね。

脚注
1.日本、観光庁、「平成29年訪日外国人消費動向調査 概要」(http://www.mlit.go.jp/kankocho/news02_000346.html)
2.日本、観光庁、「平成30年訪日外国人消費動向調査 速報」 (http://www.mlit.go.jp/common/001268656.pdf)

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