プロダクトキーワードOMOとは?

OMOは「Online Merges with Offline」の略で、「オフラインがオンラインに取り込まれた状態」として定義されています。

OMOを考える際、比較検討としてよく話題に上がるのが、O2Oです。

O2Oは、2010年前後に爆発的に広がった概念、あるいはマーケティング施策で、「Online to Offline」という言葉の略称です。

O2Oは、言葉の意味する通り、「オンラインからオフラインへ」という概念であり、オンライン行った集客を、そのままオフラインに送客する、ということを目的としたマーケティング手法につながるものでした。
顧客獲得に必要なコストが当時はリアルとオンラインとで大きく異なり、圧倒的にオンラインの方がリーズナブルな状況であったため、低コストで人を集めやすいオンラインで集客を実施し、決定率・コンバージョンレートの高いオフラインに送客することで、費用対効果を高める事が可能となりました。

このようなO2Oマーケティング施策の多くは、当然ながらオンラインチャネルとオフラインチャネルそれぞれで違った機能を持たせ、役割分担することを基本としています。このため、場合によってはオフラインとオンラインとで顧客の捉え方が違っていたり、場合によってはそれぞれの環境で違う顧客として管理されている、などもありました。

OMOが「オフラインがオンラインに取り込まれた状態」である一方、O2Oではオンラインとオフラインが分断されていることを前提としています。このため、概念としてはOMOに比べて何世代か前の概念であり、O2Oの指向に基づいて作られたシステムは、今後ダイナミックなアップデートは発生し得ないと言えます。

OMOでは、O2Oの考え方を何段階も進め、現時点において「顧客はまずオンラインのお客様である」という前提があり、オフライン店舗を利用している人は、前提条件の上で「今、偶然お店に来ている顧客である」という定義付けが行われた概念です。

「リアル店舗の顧客とネットの顧客がそれぞれ存在する」のではなく、
「全ての顧客がオンラインユーザーであり、一部の人々が店舗を利用する」

O2Oが最盛期であった時に比べ、よりスマートフォンを通じたネットへのアクセスは容易になっており、ECサイトにおける購買数はPCよりもスマートフォンサイトからの方が多くなっています。ネット接続は特別な事ではなく、今や当然の環境です。より母数の大きなユーザ群はオンラインであり、オンラインでコンタクト可能な人々の一部がオフラインでも行動をしている、として捉えられています。

例えば、オンラインで顧客登録と属性が登録されている上で、オフラインの位置情報に応じて、なんからのアクションが実施される、などが一例としては考えられます。

  • 過去5日以内にECサイトで、特定の商品を5分以上見ていた人が、店舗に接近した時、その商品の在庫があれば、その商品を見ていきませんか、とオファーする
  • 上記を満たした人が同日2回目の店舗接近であれば、X%の割引チケットを送付する

など、オンラインの行動履歴、オフラインの行動履歴を統合した何らかのアクションや施策の実施が可能となります。

こういった、顧客属性情報×位置情報、購買情報×店舗訪問履歴などの組み合わせによって、いままでとは違う顧客体験を作り出すことや、店舗の訪問履歴に基づくキャンペーンをオンラインで実施するなど、相互の情報を有効活用した新しい施策実施が可能となるばかりではなく、O2Oでは送客など一部の機能に限定されていたものが、相互送客・相互利用など、オンライン・オフラインの垣根を越えた様々なアプローチが多数実施できるようになっていきます。

今までは、オンラインの顧客、オフラインの顧客、あるいはその双方でアクションを起こすオムニチャネルの顧客、という捉え方をしていました。しかし、OMOという概念の中では、オンラインが大きく、オフラインはオンライン顧客に内包されます。

これらを実現するためには、顧客をデジタルデータとして管理する必要性があり、顧客マスタの整理や関連するデータの統合というアクションが必要になります。
かつ、お客様のアクセスする場所が、オンラインであっても、オフラインであっても良いとなりますので、より双方のチャネルの商品、在庫などのデータを統合し、管理をしていくことが必要となります。

OMOとして施策側の推進をすることはもちろんですが、このような在庫を含めた商品の管理をよりリアルタイムに寄せ、より適切な管理を実現できるようにしていく必要性があると考えます。