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「リテールテック JAPAN2019」で印象に残ったテック紹介 – MBA留学生Sunnyのインターン日記#08

こんにちは、サニーです。

2019年3月6日に東京ビックサイトで開催された「リテールテックJAPAN2019」展示会に行ってきました。小売及び飲食業向けPOS、決済システム、マーケテイング、物流などの最新技術が終結していました。会場を一通り回ってみて、面白いと思ったリテールテックを紹介させていただきます。

会場の様子
【写真】会場の様子

1.顧客とのエンゲージメントを高めるVRキャラクターによる店舗接客

「大日本印刷」社の展示ブースではバーチャルキャラクターの接客サービスを体験してみました。マイクに向かって話すと、透明ディスプレイ内のキャラクターが返事をしてくれました。
とても親しい声でしたが、実は専門の声優さんが直ぐ隣のセンシングデバイスで操作していました。声優さんの声や体の動きがそのままキャラクターに反映されるので、AIが操作するシステムより自然なコミュニケーションが取れます。店舗から離れた自宅からもデバイスを置いて遠隔操作できるので、実店舗に来るのが難しい身体障碍を持っている方も接客能力を発揮することが可能です。キャラクターは要求に応じて製作できるので、企業のマスコットを使って新商品をプロモーションすることが期待されます。

バーチャルキャラクター
【写真】バーチャルキャラクター。左側がセンシングデバイス。

2.退屈な待ち時間を楽しくするインタラクティブテーブル

同じく、大日本印刷のブースで展示されていた「Kodisoft」社のインタラクティブテーブルは大画面タブレットの形で飲食店用のテーブルとして使えます。テーブル上の画面をタッチ操作してメニューを注文し、決済までできます。また、テーブルのシステムに様々なアプリがインストールされているので、食事を待っている時間にゲームなどを楽しむことができます。
飲食店用のテーブルとしてはかなりの値段となるらしいですが、色んな仕組みで収益が得られるようです。例えば、ジュークボックスアプリを通じて自分の好みの音楽を決済し、店内で流せます。画面はかなり丈夫なので多くの食事を上に置いたり、間違って叩いたりしても、なかなか壊れないようです。

インタラクティブテーブル
【写真】インタラクティブテーブル

3.さらに進化した電子棚札

「Microsoft」社ブースで展示されていた「EDGE」シェルフ用の電子棚札は、以前インターネットの記事で写真を見たことがありましたが、今回実物を見て改めて驚きました。
2回目のインターン日記で紹介した韓国のスパーマーケットの電子棚札と比べて、単に表示される文字やデザイン、カラーが派手になっただけではなく、表示が数秒ごとに変わるところが印象的でした。例えば、下記写真ではペットフードの価格や情報が表示されていますが、数秒後にはペットフード商品の人気ランキングに変わりました。
色んな情報が小さい棚札からダイナミックに表示されますので、まるでテレビCMを見るような気分になり、ワクワクしました。

「EDGE」シェルフ用の電子棚札
【写真】「EDGE」シェルフ用の電子棚札

4.フルオートメーション化されたレストラン

「NEC」社の無人レストランは最新の技術が駆使されていました。スマホで事前予約した顧客は店内のロボットに搭載された画面で顔を認証し、来店します。テーブルに設置された
セルフオーダー端末で食事を注文すると、配膳ロボットがテーブルの近くまで食事を運んでくれました。食事が終わったら、料理を映像で認識するPOSレジを通じて決済できます。
また、セルフオーダー端末は多言語対応で、外国人の来店客がトラブルで困った場合でも、遠隔地にいる外国語対応ヘルパーがビデオチャットでサポートすることができるようです。
全てのプロセスは役者さん一人によりデモンストレーションされました。人手不足が予想される飲食業にとって、とてもいい解決策になりそうです。

無人レストラン
【写真】一番前のロボットで顔を認証、その後ろが配膳ロボット。

5.バッテリーレスRFIDを使った次世代の店舗

「サトー」社が展示していた「次世代RFIDがつくる2021年の顧客体験」ツアーに参加してみました。イスラエル企業「Wiliot」のバッテリーレスBluetoothタグが活用され、顧客の行動を読み取り、よりスマートで効率的な接客ができるようです。次世代のRFIDタグはバッテリーが付いている従来の物より、非常に薄く、小型です。こちらのタグが各商品に取り付けられ、
様々な情報を与えます。例えば、人や商品の動きの実績をデータでみることで「顧客が長時間、手に持っていたが購入に至らなかった」などの情報を確認し、販売につながらなかった理由を分析。購入に繋がるよう価格調整することができます。また、顧客が広い店内の見えないところにいても行動を読み取れるので、速やかに対応し購買につなげることができます。
「スマート試着室」では顧客が持ち込んだ商品を把握し、別のサイズやカラーなどの在庫情報がパネルで表示されていました。

人や商品の動きのデータが画面に表示されます
【写真】人や商品の動きのデータが画面に表示されます。

6.個人所有のスマホを使ったセルフレジ

「東芝テック」社では多様なセルフレジソリューションが紹介されていましたが、その中でも予算を抑えて導入できそうだったのがスマホを用いたセルフレジです。
自身のスマホで専用アプリをダウンロード、指定QRコードをスキャンして決済まで進ませるPOSレジに変わります。顧客のスマホを使うことで、専用のデバイスを購入する必要がなく、
手頃な費用でセルフレジ化ができそうです。

その他にも、多様なキャッシュレス対応の決済ソリューションなどが展示されていました。リテールテックの進化により、実店舗でもより便利で、楽しい買物ができそうです。
ECサイトの影響で小売店舗数が減少していると聞いていますが、新たな取り組みにより、新たな顧客を獲得することができるのではないでしょうか。

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